弊社では10円子ども食堂の活動をしています。
生まれ育った環境や親の格差によって空腹に苦しむことがないように、
わずか10円でもお腹いっぱいになれる子ども食堂を開催しています。
※子ども食堂とは?※
子ども食堂とは、ごはんを十分に食べることができなかったり、一人きりで食事をすることが
多い子どもたちへの支援というイメージが強いですが、「子ども食堂はこうでなければいけない」
という決まりはなく、単に食事を提供するだけでなく、放課後の居場所として、
また学習の場としての活用や、高齢者や障害者の方も含む、地域の人々とのつながりの場・
コミュニケーションの手段としても期待されています。(千葉市HPより)
理由1:100円以下でないと意味がない
NHKの調査によると、貧困家庭における
子ども1人当たりの一日の食費はわずか329円。
一食100円以下が半数という調査結果が出ています。
しかし、子ども食堂の平均的な料金は、一食300円~500円です。
これでは本当に困っているご家庭にはご負担が大きすぎます。
そこで、気楽に参加できる100円以下にしよう、ということで
10円という参加費になっています。
もちろん、10円をもっていない子どもは10分間のお手伝いで
自由に参加できます。
理由2:尊厳のため
私たちの理事には東日本大震災ですべてを失った石巻市の我妻というメンバーがいます。
彼女は家を失い、多くの友人をなくしました。
友人の中には我が子が目の前で流される
瞬間を何もできずに見てしまった方もいます。
東日本大震災は、命を奪い、資産を奪い、
私たちのすべてを奪いました。
しかし、ひとつだけ奪われなかった尊いものがあります。
それが、人としての尊厳でした。
当時、震災で何もなくなった石巻市に野菜を運んで無料で配っていた
トラックがあったそうです。
「無料キャベツくばっています」
でも、誰も「ください」とは来ませんでした。
そこで「キャベツ10円」と看板を直したら、10円を握りしめた人達が
列を作りました。
「10円でいいんですか?」
「100円払いますよ?」
こう言いながら、みんな喜んで買っていったそうです。
彼女はここで悟りました。タダ食いは、みじめだと。
人間は、自分にできる対価を払い、物を買うということで人であることの尊厳を
保てることを知りました。「持っていっていいよ」と言われても、他人が丹精込めて作った
キャベツをタダ持っていくことに罪悪感を感じます。
無料に飛びつくことは、人として「みじめ」になることを理解したのです。
自分が欲しいものは対価を払う。 お金を払った分だけ価値を感じ、
自分の尊厳を保てるのです。
そこで、私たちは10円をもらうことにしました。大人もこどもも
平等に10円の参加費です。
この子ども食堂を通じて、空腹を満たすことは当然ですが、孤食を防ぎ、
地域とのコミュニケーションを図る場として、今後とも運営していきたいと思います。